『日中をつなぐヘルスケア産業の専門商社』を目指す

 「商社」は日本独特のビジネスモデルで、国際的にも成功している業界と言えます。三菱商事、伊藤忠商事など中国人にも良く知られています。現代の商社は、貿易、情報、技術、金融などの総合サービスだけでなく、より重要な事業インキュベーションの機能も提供しています。一粒のシーズ(seeds。特許、技術、または斬新なアイディアなど)が製品(product)になり、更に事業(business)に成長するまでには、厳しい研究開発や技術革新にとどまらず、タイムリーな資金、人材、情報の投入や、生産基地、設備、技術、販売ルート、物流倉庫に至るまで広範囲な外部サポートがなければうまくいきません。商社は事業パートナーを見つけ、コーディネートし、完全な産業チェーンを作り上げるプロフェッショナルです。

  また、ここでいう「専門」は、益新が自分のポジションと使命を日中のヘルスケア産業をつなぐことに決めていることです。中国経済のめざましい発展に伴い、人々の健康生活への需要が高まり、ヘルスケア産業の市場規模も急速に拡大しています。日本は近隣の先進国として、優れた製品、技術、そして成熟したビジネスモデルを持っています。日中両国のヘルスケア産業における協力を推し進めることは重大な意味を持ち、また無限の可能性を秘めています。これこそ日本のマーケットや商習慣を熟知し、中国ヘルスケア産業の発展に注力している益新の譲らぬ使命です。

 益新は自ら定めたこのポジションを堅持し、実践の中で最新最適のビジネスモデルを創出し続け、日中両国ヘルスケア産業におけるパートナー各社と手を携え、産業チェーンを作り上げ、ウィンウィンの関係を目指します。


実践と創造の「試験田」

 益新は自ら実践を励行します。市場に学び、顧客に学び、絶えず経験と教訓を総括します。日本からの特許・販売権などの導入から、中国での臨床開発・販売まで、またマイナー投資から企業買収まで、この十年近い間に益新は常に中国市場と顧客ニーズに対応し、EPSグループの日本における優位性が発揮できるビジネスモデルを模索し創出し続けてきました。今や中国市場において、医療機器、医薬品、研究資材の貿易などのプロダクツ型事業、CROなど専門サービス型事業の布陣が整いつつあります。

 これら「試験田」での実践を通じて、益新は絶えず中国市場のニーズを把握し、中国のビジネス慣習を学び、製品およびビジネスルートを開拓し、己のチームと人材の力を鍛えています。この貴重な蓄積は、「専門商社」としての最も基本的な条件と能力であると信じています。


事業プラットフォームの構築

 事業の継続的発展のために、益新は事業プラットフォームの構築を重視してきました。オフィスビルや研究開発のためのインキュベーション基地、製品生産用工場などの建設・運営の傍ら、国境をまたぐ企業の経営管理、組織構成と人材布陣、産学界との交流基金運営など様々な仕組みの構築を努めてきました。

 そして今、益新ビル(蘇州)を主とするオフィス賃借事業は高品質のテナントサービスを提供し、インキュベーションと生産基地(南通)の建設が着々と進み、稼動への一歩を踏み出しました。また、職業訓練学校は関連産学界に人材の高度化サービスを提供し、交流基金は日中両国産学界をつなぐ先端技術や教育の交流フォーラムを開催し、益新グループおよびパートナー各社に新しいアイディア、情報および商機を提供しています。


ウィンウィンを目指すパートナーシップ

 専門商社にとって、多くのパートナーと協力し共に発展を図ることはきわめて重要です。益新は事業のスタートや産業チェーンの構築には事業パートナー様と誠意のある協力が欠かせないことを十分に心得ています。日中をつなぐ場合、互いの事業理念と利益を尊重することは大切で、これを前提にして各自の特長が発揮しうる協力体制を構築する必要があります。

 例えば、2006年、EPSは厚生省と産学連合体が推進するREIC遺伝子発現アデノウイルス“Ad-REIC”による癌治療研究プロジェクトに参加し、中国での開発および販売権を取得しました。その後、益新が中国著名バイオベンチャーと提携して、この権益を注入すると同時にマイナー出資もし、中国での開発を推進してきました。

 益新のビジネスモデルの特徴はまずオープン性です。益新はさまざまなパートナーにそれぞれのビジネスモデルに最適のプラットフォームを提供する用意があります。

 スズケングループと益新が属するEPSグループの提携は、益新ビジネスモデルに新たな発展の機会をもたらす大きな出来事です。双グループが手を携えれば、中国においてより多くの製品やサービスを提供する産業チェーンをより早く、より大きく構築できるに違いありません。